フォスターケア用語集

フォスターケア

『フォスターケア』と『フォスターユース』は、実親以外の子どもの措置場所のことを指す総称。家庭でのケアだけでなく、グループホームや施設もフォスターケアの範疇に属する。『アウトオブホームケア』という言葉も、しばしば同義語として使われる。

アドボカシー

アドボカシーは、ひとつの事象を現在地から、あるべき場所に動かすことをいう。公的に重要な地位にある人物に、自己の主張を提言することから、担当のソーシャルワーカーや里親に勇気をもって自分の願いを話すことまで、様々なかたちがある。若い人たちにとって、アドボカシーは自力でできる場合もあれば、大人たちの手助けが必要な場合もある。

ユース ボイス(ユースの声)

ユース ボイスとは、フォスターケアの中に身をおくユースを、あらゆる会議の中に参加させてゆく「考え方」のこと。この場合『会議』とは、ケースマネージャーや養育者などをまじえて、ユース個人についての話し合いをする場だけでなく、多数のユースに影響をあたえる政策協議なども含めたすべての会合のことを指す。ユースにも発言したいことがある!フォスターケアを経験した若者は、会議参加は目上の者にそむく行為なのでは、と気に病んだり、過去に自分の思いを無視され続けてきたことが原因で、無力感にさいなまれることもある。

ユース パースペクティブ(ユースの視点)

ユース パースペクティブとは、ユースならではの想像力に富んだ考え方や洞察力を、話し合いの場で発揮すること。ユースには、大人のような専門性が無いのでは、と思われがちである。だが、フォスターユースこそが、自己のシステムの中での経験をありのままに語ることのできる唯一のエキスパートであり、ほんの少しの指導を受けることで、他のユースたちの意思を代弁できるリーダーシップ的存在になることが可能である。

ユース デベロップメント

ユース デベロップメントとは、ユースに自由と主導権を与えることによって、彼らが失敗もふくめた自己の経験からあらゆることを体得する成長のプロセス。以前は周りの大人がしてあげていたことを、たとえ効率が悪くてもユース自身がすることよって、彼らにパワーを与える。ユース デベロップメントとは、単に知識や理解力を蓄えることだけでなく、 難しい体験の最中でポジティブな態度を維持すること、友人、雇用者などとの人との接し方を含めた実質的な生活スキル学習も意味する。

ユース アダルト パートナーシット

ユース アダルト パートナーシップとは、ユースと大人がお互いの価値を見いだせる関係をつくること。大人の支援者が会議のプランニングをし、ユースが会議の内容と進行を勤める、などがその例である。

サポーティブ アダルト(支援者としての大人)

サポーティブ アダルトとは、ユースが一生をつうじた長期な関係から、一度きりの出会いのような短期間の人間関係のなかで、信頼をおくことができる大人のこと。支援者としての大人は、ユースが「自分は誘導されている」とか「ネガティブな判定を下されている」という気持ちを抱くことなく、将来の選択肢を検証、また、選択した計画のメリットとデメリットを冷静に判断する手助けをする。 サポーティブ アダルトの役目を勤めるのは、ケアを離れた元里子、里親、ケースワーカー、先生、メンターなど。または、ユースを見守り、励ます意思のある人物。