ジャネル・ブラクストン
私たちは、一年に一回、必ず、バースデーソングを聞いて誕生日を迎え、成長を祝ってもらう。 だが、社会的養護の世界では、18歳の誕生日が、そんな通常の誕生日とちがっているのは、 若者が自立して、大人になる年齢だからだ。それでは、その重要な誕生日を迎えると、どのような人生が待っているのだろうか。社会的養護のシステムの中で育ち、大人になる準備が十分にできなかったとしても、18歳という誕生日を境に、ユースたちは、経済的に自立し、高校を卒業し、自力で大学進学するか、就職することを求められる。当事者ユースであれば誰もが戸惑いを感じるに違いない。
だが、そんな思いをしているのは、あなただけではない、ということをまずここに伝えたい。そして、この18歳の誕生日の後の1年1年が、重要なものであることを知ってほしい。毎年、当事者に提供されているサービスが年々減少してゆくからだ。社会的養護の当事者がケアを離れて自立した後に就労・就学、そして、安全な住居や医療保険の確保でつまずくのは、十分な資源や支援が無いことが原因になっている場合が多い。
2009年。ワシントン州では、措置延長のためのパイロットプロジェクトが実施された。ユースが一定の条件を満たしていれば、18歳の誕生日以降も、当事者としてのサービスを受け続けられるシステムである。その後、すべてのユースが、21歳になるまではいつでも、条件抜きで、措置延長プログラムを受け始められるようなシステムが成立した。
このプログラムが用意されているわけだが、ユースたちは実際にはどのような壁にぶちあたるのだろうか。まず、21歳で措置延長プログラムが打ち切られるまでに、何が期待されているのか。そのタイムラインを見てみよう。18歳で、高校を卒業していて、就職し、進学するする必要がある。19歳で、仕事を1つか2つしながら、短期大学の卒業を目の前にしてなければならない。20歳になると、4年生の大学に編入し、学校の寮に住むための準備をしていることが望まれる。21歳になると、正式な大人とみなされるので、大学の学位取得の最終段階、卒業後の自立した生活の準備をしていなければならない。このタイトなタイムラインの他に、道をふみはずすような出来事が多くのユースの身に起こる。例えば、社会的養護の当事者に対する偏見や差別、学校からのドロップアウト、ホームレス、若くしての妊娠や、犯罪を犯したための服役義務、など。
このような問題が発生するのは、18歳から21歳までの3年間の支援サービスが充実していないからではない。ひとりひとりへの個人的なサービスや理解、そして、大人になるための移行期の準備が十分ではないためだ。
ワシントン州のユースたちは、措置延長プログラムを十分に利用し、学位を取得することに集中することが大切だ。21歳までは、社会的養護の当事者のための奨学金がたくさんある。そして、今の自分に自信と誇りをもってほしい。あなたの人生はまさに今始まるところだからだ。ここに、18歳になり自立するユースたちのための情報を満載したリンクをいくつか紹介する。
Extended Foster Care Program:
http://independence.wa.gov/programs/extended-foster-care-program/
RCW (Bill of WA State):
http://app.leg.wa.gov/rcw/default.aspx?cite=13.34.267
Data on youth aging out:
https://www.dshs.wa.gov/sesa/rda/research-reports/youth-aging-out-foster-care
ETV (Education and Training Voucher) Program:
http://independence.wa.gov/programs/etv-program/
コメントを残す