自立支援ホームでの経験

自立支援ホームでの経験

タリア・ガルシア

自立支援プログラムが提供する共同住宅での暮らしは困難なものでした。ですが、私はその困難に打ち勝ったといえる、と今では感じています。

それは、パスウェイという名前のプログラムでした。私はこのプログラムに17歳の時に移住しました。社会的養護を離れなければならないのに、ホームレスだったからです。ここに一人で引っ越すのは、悲しく孤独なことでしたが、このプログラムの住宅に住むことができて、ほっとしました。やっと、行くところがみつかったからです。

このプログラムにはとても良いことがいくつかあります。たとえば、私を地域のリソースにつなげてくれたり、楽しい時間を過ごせたり、自立に必要な重要なスキルもここで学びました。

私はアルバイトをしていましたが、パスウェイが、バスに乗るためのお金をくれました。衣類やその他の必需品も提供してくれました。家賃は無料だったので、私はアルバイトから得たお金を貯めることができました。パスウェイが与えてくれたリソースは私の生活を安定させ、私の自立・成長を助けてくれました。

ほかのユースたちとのおしゃべりは楽しかったし、スタッフは公園や美術館に連れて行ってくれました。とても良い時間を過ごせたと思います。

安定した生活と時を楽しく過ごす、ということが重要なのだと、このプログラムから気付かされました。でも、いちばん大切なことは、人生について、生きるということについて教えてくれたことです。パスウェイのスタッフのほとんどが、大学生か大学を卒業していました。彼らは私たちが教育の大切さに気づいて大人になってほしいと感じていたのだと思います。

私はその当時、ボランティア活動やキャンプへの参加を希望していたので、スタッフが申込書を書くのを手伝ってくれました。美術について、料理など生活一般のスキルも教えてくれました。

でも彼らが教えてくれたことの中で最も貴重だったのは 、教育の重要さです。私の成長・成熟にとって、それはかけがえのない価値を持っていました。

私には、脆弱な立場のユースとしての限りないニーズがあり、そのニーズを満たす必要がありました。

例えば、一緒に生活していたユースたちはいろいろな困難を抱えていて、けじめのある日々の生活を送らなければなりませんでした。だから、いろいろなルールがありました。そういったルールを守るのは簡単なことではありませんでした。こんなにたくさんのルールがあることと、自立をすることが、ちぐはぐであるように感じました。

私は独立心の旺盛なティーンでした。小さな少女のころから、そうだったんです。だからといって、人に頼ってはいけないということではありません。私は、健全な家族の一員であるということがどんなことなのだろうと、考えていました。そのような経験を一度もしたことがなかったからです。

あるスタッフは私のことを見守ってくれる役目をしていました。私が日程を立てるのを助けてくれました。アポを取ったり、寮の手伝いをしたり、いろいろなことです。そのスタッフは私のことを、とても独立心の高い子どもだと考えたみたいです。でも、私には、継続的な(長期の)跡切れのない、社会的なサポートを今まで、どんなにほっしていたのかに気づきました。

プログラムは私がまだそこに暮らしているときに閉じることになりました。こんなにつらいことはなかったです。他の多くのプログラムがそうであるように、予算編成により、パスウェイのプログラムは、人身売買の犠牲になったユースのためのセーフ・ハウスになりました。私は、そこに住んで良いことになりましたが、私がもう一度、その新しいプログラムに慣れ親しまなくてはなりませんでした。自分の住む環境が自分の眼の前で変わってゆく経験を想像してみてください。このプログラムは私のニーズを満たすことができなくなっていました。ルールは以前より厳しいのに、生活環境から安全性が消えてゆきました。喧嘩が起こり、売春を斡旋する者から死の脅威が送られてきました。

私はそこを離れなければ、と思いました。18歳になる前に、なんのガイダンスもないままそのプログラムを出た私には、以前より厳しい状況が待っていました。

それにもかかわらず、スタッフが私に教えてくれた教育の重要さにこころから感謝しています。

支援のあることの大切さ。パスウェイが与えてくれたサポートとのつながりを閉ざさないように、そしてほかのホームレス・ユースたちと連携しながら、生きてゆきました。もう7年以上前のことです。彼らは、私の人生にとって、一番困難な時期を乗り越える後押しをしてくれました。私は公衆衛生学を専攻し、大学を卒業しました。もうこれは無理だ、と思っていた時に、私をいつもサポートしてくれた仲間が就活も手伝ってくれました。パスウェイでの経験は困難に満ちていましたが、私はそれを乗り越えて、今ここに立っています。私は、ソーシャルワーカーたちが提供してくれるサービスにたいへん感謝をしています。ありがとうございました。

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