東京チームの愛夢です。
ネタバレしてしまっているので注意です!
私はこの事件を半年前にあったあるイベントで知っていました。知っている上で観ましたが、より鮮明に彼の暮らしてきた環境がわかりました。
母が大好き。
逮捕され懲役12年の刑を言い渡されたあとも、過ごしてきた環境の中でも。
その言葉はとても共感しました。私も母と暴言暴力が当たり前にある日常を過ごしましたが、15歳で保護されたあと6年経った今でも母を責めることは出来ません。そして母のことは大好きです。他人が親を責めることなんていくらでも出来ます。責めるのであれば、なぜ困っている時に母を救うことができなかったのか問いたいです。
映画の間、考えていたことはどうしたらこの親子を救えるのか・救えたのか。救いの手がいくつもあったのにそれを振りほどいてしまった親子の傷はとても深かったのだと思います。期待して裏切られ信用して裏切られを繰り返し、期待することも信用することもできず苦しんでいたのかなと感じました。祖父母を殺害してしまった彼と同じような状況の子どもたちは決して少なくありません。形は違えど沢山います。その子どもたちは自分の環境が他と違うことに気づくことはできません。逃げる術も知りません。そして他人の善意に恐れを抱くことがあることもあります。
何度も母の口から出てきた「私の子だから!」私の子だからの続きはなんでしょう。子どもは親の所有物ではないです。育てるとはどういうことでしょう。作品の中で母が彼に暴力を振るったのは平手打ちの一度だけ。虐待とはどういったことなのか考えさせられる映画だと思います。
ご飯もある、本もある刑務所の中で12年間過ごし、母とこの社会から受けた彼の傷が癒されることを願います。
心に傷を持った人がケアを受けられる環境が整備され、心の声に耳を傾ける余裕が今を生きる全ての人に持てるような社会が来てほしいです。
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