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Posted by: ifcayouth Category: フォスターユースとメンタルヘルス Comments: 0 Post Date: 5月 22, 2017

フォスターユースとメンタルヘルス

 ジャネル・ブラクストン

メンタルヘルス、という言葉を聞くと、即座に、重症の問題をかかえている人たちが頭に浮かぶけれど、それは私だけでしょうか。「いったい、メンタルヘルスとは何なのか」と思い、その言葉の意味を調べてみることにしました。米国疾病予防管理センターによると、メンタルヘルスとは『日常的なストレスに耐えることができ、生産的で意義のある生活がおくれ、社会貢献ができる 状態を意味する』とあります。精神障害という言葉の意味については、『思考や行動に、軽度から重度の問題があり、日常の生活に支障をきたしている状態のこと』という説明がされています。この両方の言葉の定義を読んで、私は考えてしまいました。フォスターユースはフォスターケアのシステムに入る前から、メンタルヘルスの問題を抱えているのか。それとも、システムに入って来てから、精神障害が生じるのか、という疑問が湧いてきたのです。もともと精神障害をかかえた若者がフォスターケアの下に身を置くことで、症状が悪化したとは考えられないでしょうか。どちらにしても、メンタルヘルスのケアは、フォスターユースたちにとっては欠かせない、重要なサービスです。

ワシントン州のフォスターユースたち、その中でも特にグループホームに住むユースは、適切なメンタルヘルスのケアを受けていません。グループホームの他に措置場所がなかった、という間違った理由からユースが施設に入っている例が多く見られます。
ワシントン州には、目的と用途により分類された、様々な施設があります。保護観察をうけているユースのための施設、児童福祉の分野に属するユースのための施設、メンタルヘルスのケアの必要なユースのための施設などがその例です。(Ryan, et al. 2008) 施設の児童は、統計的にみて年長で(15才から17才)、男子、マイノリティーであることの他に、行動や感情障害をもっているユースや、刑法違反を犯した若者たちが多いというレポートがあります。(Ryan, et al. 2008) ですが、これは、グループホームに住む若者たちを分類的に見ただけであって、その中にいるフォスターユースのことを語ってはいません。
施設にいるフォスターユースたちのためのメンタルヘルスのケアが不足しています。それは、単に、サービスへのアクセスが無いだけでなく、長期的にみて、施設内のユースには利益をもたらさないサービスだろう、と誰かが勝手に判断したことが原因になっているようです。

フォスターケアに身を置くたくさんの子どもたちのために、質の高いメンタルヘルスケアをいち早く届けることの重要性を、研究結果が伝えています。保護されている子どもの半数が、健康上の問題をかかえ、大多数の子どもたちが、トラウマに満ちあふれた家庭生活や幼少期の体験を持っており、それが精神疾患につながるリスクはたいへん高いです。子どもたちのトラウマには、自分の生まれ育った家族から引き離されることも含まれる事実をふまえておいてください。
フォスターケアを離れた大人たちは、通常の大人よりも2倍から7倍、精神障害の症状をかかえているというレポートがあります。 PTSD(心的外傷後ストレス障害)、不安障害、うつ症状、薬物依存などがその例です。フォスターユースが最初に精神疾患の兆候を見せてから、治療までの時間が長いことも深刻な問題です。(Rubin, Halfon, Raghavan and Rosenbaum, 2005)

私は、フォスターケアのシステムの中で12年過ごし、そのあいだに措置場所を8回かわりました。コンパス・ヘルスとオデッサ・ブラウンのふたつの診療所からメンタルヘルスのサービスを受けました。私はいつも、カウンセリングを受ける人は、きっとなにかがおかしいのでは、と考えていました。でも、実際にセラピストと向き合ってみると、私はずっと、自分の問題から目をそらして生きてきたことがわかりました。自分には、大きな負担やストレスがあることを、セラピストはあらためて気づかせてくれました。私は、9才頃から、強い感情や悩みごとを自分の中に押し込めてきました。カウンセリングをして、ストレスを解消する術がわかるようになったし、能力を発揮して、人を助けるために活動したりもできるようになりました。

フォスターユースにとって、メンタルヘルスのサービスはとても大切です。私が調べたいろいろな情報からも理解できると思いますが、虐待やネグレクトが原因で保護された子どもたちは、発達や、行動や感情のすべてにおいて問題をかかえています。 しっかりとした効果が望めるケアを子どもたちに与えることは、アメリカ社会の 任務だと考えます。システムを変えるとしたら、ユースたちが心身ともに健全で、これからの人生をちゃんと歩んでゆけるようにカウンセリングを用意してあげるべきです。ワシントン州は、フォスターユースへのメンタルヘルスの向上にむかって動いています。それと同時に、私たちは、メンタルヘルスという言葉の定義や、人々がもっているこの言葉への偏見についても考えてゆきたいと思います。

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