キム・ハインズ
キンシップケアとは何のことですか?
– キンシップケアとは子どもが親族に養育されることです。親子分離される時、親族によるケアが優先されます。なぜかというと、家族とのつながりをたたずに、子どもたちが育つからです。キンシップケアは家庭維持のサービスの1つとして、正式に、また非正式に行なわれます。正式なキンシップケアには、養育者へのトレーニングと、資格を与えるプロセスがあります。非正式なキンシップケアは、アセスメントのプロセスとして、安全と安定性が確保できているかどうかを調べるのみです。子どもと養育者に支援サービスが与えられます。養育者には、子どもの生活にかかる費用をカバーするために、毎月、養育手当のような給付金が支払われます。他のサービスとしては、ケースマネジメント、カウンセリング、サポートグループなどがあります。キンシップケアの利点は、安定性と安全性が確保できること。また、家族と文化・伝統的なつながりをなくさずに、子どもたちが暮らせることです。その他にも、措置移動が少なく、実親やきょうだいとの接触が頻繁にとれることも利点と言えます。他のタイプの措置よりも、子どもたちは、親子分離された後の、ネガティブな感情が軽減されます。
キンシップケアでのあなたの経験はどのようなものでしたか。
私が最初に親子分離されることを知った時、すぐに叔母に連絡を取りました。社会的養護について、ネガティブな情報しか得たことがなかったので、自分の人生が一転してしまう、と思ったのです。
私が知っていたことは、子どもは親から引き離されると、見知らぬ他人の家に措置されるということ。それから、年長のユースたちは、なかなか引き取ってくれる里親がみつからず、里親家庭を転々とすること。フォスターユースにかんする一般的な味方は、無知と、ステレオタイプによります。里子は悪い子どもではありません。私たちはすぐに壊れてしまうような弱い存在でもありません。辛い経験を生き抜くことは、逆にユースを強くします。この考え方は、私の人生にとって、かけがえのない考え方になりました。
叔母と暮らしてみると、私の成績は落第点からクラスのトップになりました。この変化にはいろいろな理由があります。私は、保護される前、自分の世話を自分でしているだけでなく、きょうだいの親代わりをしているティーンでした。成長期の中にあり、家庭を壊さないように努力していたのです。
叔母と暮らし始めてから、私のその重荷はなくなりました。無秩序な生活からのストレスと、虐待の中での生活は、私に学校に通うことよりも、生存することを優先させるようになっていました。叔母の家庭では、私は生きることができました。成績が良くなり、大学に行きたくなかった私が、進学の計画を立てるようになりました。そして今日、皆さんの前に、シアトル大学の社会福祉学部の四年生としてここでお話しできることを、たいへん幸福に感じています。
キンシップケアの暮らしのなかで、困難だったことは何ですか。
キンシップケアは、私をたいへん助けてくれましたが、困難なこともありました。どのキンシップケアにも違いがありますが、私の場合は、実親の家から車で数分のところに叔母の家があったことです。実親家族や、 文化・伝統的なつながりをなくさずに、子どもたちが暮らせることはよいことですが、それを良しとしないユースもいます。私の両親がすぐ近くに住んでいるという事実が、私に無秩序の生活にと隣あわせで生きているような感覚を呼び起こしました。 いつか両親のせいで脱線してしまい、私が納めた成功へのプロセスが実を結ばなくなるのではないかという恐怖心を抱いていました。そんな感情もあるにはせよ、叔母ときょうだいのサポートのもので、日々、前向きに生きています。
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