ノーマルシーを目指して
ジャスティーン・マンツ
こんにちは。私の名前はジャスティーン・マンツです。23歳です。IFCA米国ユースチームの新しいメンバーです。今年の6月、環境科学の学位を取得して、ワシントン大学を卒業しました。今は、自分のオンラインのビンテージの服のビジネスをするかたわら、大学の専攻を生かせる仕事を探しています。私は、少女時代から日本に魅了され、いつか訪ねてみたいと思っていました。ですから、皆さんの国にくることができて、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、今日は私のアメリカの社会的養護についての意見や考えを聞いてくださる、その機会を与えられたことにも御礼申し上げます。
今日は、私がフォスターケアの制度のなかで、普通ではない(異常な状態)と感じたことについて、具体的には、車を運転することについてお話したいと思います。
アメリカでは、16歳になると運転免許証を取るか、見習い運転証明書を取得することができます。お金持ちの家庭では、子どもに最初の車を買い与えるのが、この年齢です。アメリカの儀礼的な習慣とも言えますが、ティーンエージャーが責任感と自立心を持つためのレッスンでもあります。運転免許を取ることは、高校生でありながらも、最初のアルバイトをする可能性を与えてくれます。私は、里親に、運転免許証を取るための準備をしても良いか、と聞いたところ、だめです、の一点張りでした。里親が、州政府がそれを許可しない、と言い張るのです。私がその答えでは満足しないと、里親は、以前この家に住んでいた里子が交通事故に合ったことを話しました。私が免許をとれば、里親が責任を負うことが起きるかもしれないというのです。
その里親の家は都会から遠く離れた農業地帯にあったので、公共の交通機関が発達していなく、運転ができないと、いろいろな面で私のチャンスが失われてゆくと感じました。私は、里親の「運転免許を取ることは州の規則に反する」という発言が真実なのかどうか、調べてみようと思いました。ですが、私と私の里子関係のきょうだいたちは、家庭のコンピューターを使うことも許されていませんでした。以前にこの家に住んでいた里子たちが、コンピューターを使用できるという特権を悪用したからだ、と言いました。私は、運転免許の取得に関する州の法律のことを調べる手立てを絶たれました。私のケースワーカーはあまりにも忙しく、連絡を取るのが困難で、このことについて、質問することすらできませんでした。最終的には、私は運転免許を取らずじまいでした。そのことが、学校に通っている期間に、友達をたずねたり、就職したりすることへの妨げになっていたと思います。もしも、学生時代に働くことができたら、お金を貯めることができましたし、そうすれば、ケアを離れる時に、どれだけ安心して自立できたでしょう。社会的養護の下を離れ、シアトルの学校に転校した時、誰も私に運転を教えてくれる人はいませんでした。運転免許取得のためのレッスンに支払うお金もありませんでした。
そのような事象が重なり、私は今でも運転免許証を持っていません。私のボーイフレンドが私に運転の仕方を教えてくれています。もうすぐに運転免許の試験を受けることができると思います。
ツリーハウスという里子のための非営利団体の 政策部主任のドーン・レインズさんは、社会的養護の当事者のたった3%が、18歳になるまでに運転免許を取得している、と話しています。一般の若者たちの54%が、18歳までに免許を取得します。私は、この現状には問題があると感じています。なぜなら、社会的養護の当時者は、往々にして、ケアを離れる時の状態が不安定なままだからです。フォスターユースには、もっと早い時期から自立の準備が必要だと思います。ノーマルシーにかんするあらゆることが、ユースの感情的な成長だけでなく、自立後につまずかないように準備するために、重要だと思います。養育者の持っている情報の中でも里子に何が許されていて何が許されていないのか、州のポリシーが変わるごとに、トレーニングが必要です。ユースが求めているポリシーについての情報がいつでも手に入るように、そしてユースの権利が徹底して保障されるように、運転免許取得を含めたノーマルシーに関する問題を解決することは重要だと思います。
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