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Posted by: ifcayouth Category: 措置解除, アメリカと日本の児童福祉のしくみ, フォスターユースとメンタルヘルス Comments: 0 Post Date: 10月 9, 2020

厚生労働省の意見交換会に参加して

こんにちは。IFCA東京チームの香坂です。

ご報告が遅れてしまいましたが、8月に行われた厚生労働省の「社会的養護自立支援強化に向けた意見交換会」に社会的養護出身者として、同じ東京チームの原田さんと一緒に参加させていただきました。

オンラインでの開催となった意見交換会でしたが、社会的養護出身者の方、そして退所者の支援に取り組む団体の方も参加され、沢山の貴重な意見を伺うことが出来ました。

今回のブログでは、意見交換会で私が発表させていただいた内容についてお伝えしたいと思います。

私からはまず、新型コロナウィルス感染症下において必要とされる支援についてIFCAのプロジェクトCで実施した、社会的養護を経験した若者の新型コロナの影響についてのアンケート調査の結果をお話させていただきました。アンケートへご回答いただいた皆さんありがとうございました。

そしてその後、自立に向けての課題について自身の経験から困難であった3つエピソードをお話させていただき、それを踏まえて自立支援強化に向けての要望をお伝えしました。お伝えした要望は①自立後も安心して暮らせる制度を、②自立後もメンタルヘルスのケアを継続出来る制度を、③当事者参画の推進の3点です。意見交換会で皆さんへお配りした資料を下記にアップさせていただきますので、エピソードや要望の詳細についてはぜひ資料をご覧いただければと思います。

意見交換会では私たちを含め8名の社会的養護出身者の方が参加されたのですが、皆さんの意見や要望に重なっている部分が多くあり驚きました。特にメンタルヘルスのケアの必要性については多くの出身者の方、そして支援に取り組む団体の方がお話されていました。皆さんのお話を聞いていると、自分の経験と重なる部分もあり、どれほど辛かったのだろうと心が詰まるような気持ちになる場面もありましたが、貴重な意見を聞かせていただき、そしてその貴重な声を厚生労働省の皆さんへ直接お伝えすることができ本当に良かったです。

この意見交換会が自立支援の強化に繋がり、一日でも早く社会的養護から巣立つ若者が安心して暮らせる社会や制度が作られることを願っています。

<資料>

2020年8月5日

自立支援の強化にむけて

IFCA(International Foster Care Alliance)

プロジェクトチーム・コディレクター

  1. IFCAとは

IFCA(International Foster Care Alliance)とは2013年に設立された、日米協働の社会的養護の当事者団体です。日米の当事者の協働を通してグローバルなレベルでの児童福祉の改善を目指し、米国シアトル、東京、静岡、福岡、関西に支部をおき当事者参画に向けた活動をしています。※参考資料「パンフレット」「ユース・パブリケーションvol.7 私たちの移行期のストーリー」

  • 新型コロナウィルス感染症下において必要とされる支援について

IFCAでは、有志の当事者ユースとサポートする大人で、社会的養護を経験した若者の新型コロナの影響について、アンケート調査を実施 ※別紙参考資料参照

・425名からの回答/平均22.8歳

・約2割が食料を確保するのが難しい・「食べ物がない。ピンチ」

・約2割が「現在、お金に困っている」

・約4割が、必要な医療、精神的ケア・カウンセリング、薬の入手ができなくなり困っている

・約5割が、この2週間、落ち込んだり、鬱(うつ)っぽくなったり、絶望的な気分になっている

→もともとの生活基盤が不安定であったことで、コロナの影響によるダメージが大きい+家族問題・生い立ちへの直面、頼る人がいないことの実質的な困難と精神的な孤立感

⇨個人単位での支援策、アフターケアの責任の明確化が必要

  • 自立に向けての課題
    • 両親との関係、自立後に安全に生活できるのか不安があった
  • 大学への進学が決まっていたが、児童相談所が私に許可を得ずに進学先を両親へ伝えてしまった
  • 大学の近くへ住む予定であった為、両親が駅や大学で待ち伏せしているのではないかと毎日不安だった
    • 住民票の閲覧規制について
  • 施設の職員の方に教えてもらい、住所を知られない為に住民票に閲覧規制をかけたが1年毎の更新が必要
  • 1年目は、児童相談所が発行した社会的養護の元で生活していた証明書で閲覧規制の申請が出来たが、2年目からは警察へ相談して閲覧規制が必要な住民であることを警察から役所へ連絡してもらわなければ更新することが出来なかった
  • 警察へ相談する際に、実親家庭での経験を話さなければいけないことが非常に辛かった
  • 役所が開いている平日しか申請が出来ない為、社会人になってからは時間を作ることが難しい
    • メンタルヘルスのケアについて
  • 児童養護施設で暮らしている時からメンタルヘルスに問題を抱えており、通院や服薬治療を行っていた
  • 自立してからも治療を継続したかったが、治療費を捻出するのが難しく治療を断念した
  • 結果、症状が悪化してしまい、大学に通うことが困難になった時期があった
  • 自立支援強化に向けての要望
    • 自立後も安心して暮らせる制度を
  • 自立後も安心して暮らせるよう、実親への情報共有などは慎重に行う
  • 住民票の閲覧規制など、安全に暮らす為の方法について全ての当事者に情報が行き渡るようにする
  • 社会的養護の当事者が住民票の閲覧規制を申請する場合に数年間継続して使用できる、公的な書類や証明書があると良いのではないか
  • 自立後もメンタルヘルスのケアを継続できる制度を
  • メンタルヘルスに問題を抱えている当事者は多く、自立後に症状に気づくケースも
  • 自立後も適切な治療を受けられる支援や助成金の制度が必要
  • メンタルヘルスの治療には長期間かかることもある為、一時的ではなく継続的な支援が望ましい
  • 当事者参画の推進
  • 制度策定のプロセスに当事者の声を取り入れてほしい
  • 社会的養護のもとで過ごした経験のある当事者は「社会的養護の専門家」
  • ヒアリングだけではなく、委員や構成員としての当事者の参画を

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