ユースの視点

3月の日本での時間を振り返って

 ティム・ベル
IFCA 米国チームは、日本チームとともに、フォスターケアのイベントを主催したり、また参加したりの9日間の旅をした。この9日のあいだに、僕たちは富士市と福岡市で出会った人たちと新しい友情関係を結んだと同時に、従来の仲間たちとの友情をより深いものにすることができた。さまざまなテーマについて講義をするなかで、自分たちが学びとったことも多い旅だった。僕たちは、ユース・デベロップメントやユース・アドボカシー、そしてサポーティブ・アダルトについてもセミナーを行った。米国の児童福祉財政の仕組みや、それが日本の社会にどのように適用できるのか、また、ワシントン州の里親リクルートメントについても講義をした。 (さらに…)

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とても素晴らしかった日本の旅

 ジャネル・ブラクストン
「とても素晴らしかった日本の旅」
デルタ航空の飛行機で10時間のフライト。機内では、ほとんど私の母国語「英語」を知らない人間が隣に座っていました。胸の鼓動は激しくなり、これから起こることに思いをはせずにはいられませんでした。このときまさしく、私は、人生の新しいドアを開け、想像もつかない経験をするチャンスをつかみ、未知なる言語を話す文化圏に等身大の自分を突っ込こもうとしているのだと思いました。成田空港に着いて間もなくは、英語の看板に囲まれ、スーツケースを手に自分たちの行き先を指差す人々と、手続きを待つ人の長い列をみて「これは夢なのでは・・?」という感覚に浸りました。まっさらなパスポートに入国印が押されて、ようやく心身ともに日本に入る準備が整ったのです。この旅で私は、日本の文化について、フォスターケアシステムとそれが直面している課題について、計り知れないほど多くのことを学びました。自分の思いや経験を何百人もの前で話し、共有できたことは、「幸せ」という言葉では表しきれないほどの喜びをもたらしてくれました。日本にきたことは、私の人生を変えました。この旅は私の視野をぐんと広げ、これまでに気付かなかった多くの問題について目を向けさせてくれました。フォスターケアシステムを経験することに関して言えば、「差異」よりも「類似点」のほうがずっと多いこともわかったのです。 (さらに…)

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至福

 ジャニス・コール
高名な哲学者であり、神学者でもあるジョセフ・キャンベルは、こんな言葉を残している。「あなたの無上の幸福を追求しなさい。」この言葉を、キャンベルは自作の「英雄の旅路」の中にたくし、「旅立ち」「通過礼儀」そして「帰還」という三つの要素とともに語っている。
キャンベルは、この「英雄の旅路」の根底に流れているテーマは、どんな物語の中にも存在することを、一生をかけて論証した。まず、英雄は自己の日常の生活を離れ、冒険へと導かれる。そして、「通過儀礼」をとおして、未知の世界への旅路を歩み進んでゆく。新しい世界に突入した英雄は、試行錯誤と挑戦を乗り越えながら成長し、自分がもときた場所へ帰還する。旅から得た知識と自己成長をたずさえて、英雄は住み慣れた土地の民衆に、自分の体得したことの全てを共有しようとする。私は、この英雄の旅路は、フォスターケアの比喩だと思う。フォスター・ユースは、自分の家族から引き離され、見知らぬ世界(家庭や施設)に投げ入れられる。そこで出会うものは、挑戦と障壁。膨大な障害物をくぐり抜けることを強いられる。大人になると、フォスター・ユースは、社会的養護の当事者という役目を終えて、ふつうの人間として「帰還」することができる。その時点で、私も含めた多くのユースたちは、自分以外のフォスター・ユースのためになにかできることはないか、彼らの生活を改善するためにはどうしたらよいのか、と考える。 (さらに…)

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