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Posted by: ifcayouth Category: ニュース Comments: 0 Post Date: 8月 20, 2020

厚生労働省の意見交換会に参加しました

こんにちは。IFCA東京チームの原田です。
厚生労働省で行われた「社会的養護の自立支援強化に向けた意見交換会」に、
社会的養護経験者として、同じIFCA東京チームからSさんと、わたしの2名で参加しました。
(Sさんのスピーチ詳細についてはSさんから投稿されるブログを楽しみにお待ちください!!)

私からは、一時保護と、その後虐待家庭に戻された在宅措置の経験者としてお話しさせていただきました。

こちらは意見交換会で使用した実際のスライドです。多くの方に見て頂けると準備の苦労が報われます…!

ところで皆さんの中には一時保護と聞いて「一時保護は社会的養護じゃないよ」と思われる方もいるのでは… ?

意見交換会とは別の場面で、取材の記者さんから「一時保護は厳密には社会的養護じゃないですもんね」と言われる場面があったり、施設をご経験された方からも「一時保護は社会的養護ではない」と言われた経験が、何度もあります。


でも、実は児童福祉法には、一体なにだったら社会的養護なのか、どこにも定義付けられていません。
(児童養護施設なら社会的養護だよ。とも書いてないし、反対に、一時保護は社会的養護じゃないとも書かれていない)
つまり一時保護だからあなたは社会的養護ではないよ。というのは必ずしも正しくない言い方なのです。

一時保護でも、最近は特別養子縁組でも、行政介入により親元からなんらかの理由で引き離し、社会が親の代わりになって、保護や養育を行ったということは、社会的養護なのではないでしょうか。

※それを踏まえた上で「わたしの考えでは絶対に一時保護は社会的養護ではない」と考える方がいればそれはその考えを持っていて良いと思います。

さて、前置きが長くなりすぎてしまいましたが本題に入ります。


私からは、まずはどのような経路で一時保護所に措置される事になったのかスライドを用いて説明しました。青い部分がわたしのたどった経路です。

児童相談所では48回にわたって相談していましたが一度も一時保護されることはなく、高校生になって偶然警察署で虐待の傷を見せた際に、「大人の殺意がないとできない傷があるから緊急保護します」と即日緊急保護されました。

しかし、一時保護所では、私語厳禁等の多岐にわたる規則があり、「私はまるで刑務所に入ったのか(不安)」という気持ちになって、ついに「お願いだから帰らせてください」と言っていしまい家庭が改善されないまま、 わずか1週間の一時保護で虐待家庭に帰らされてしまいました。



一時保護所の課題点をスライドにまとめました。

私がたまたま入った劣悪な一時保護所で、(良い一時保護所ももちろん存在するらしいですよ!)
私にとりうる選択肢は【虐待家庭に戻る/刑務所のような一時保護所】の究極の選択でした。

【カレー味のうんこ/うんこ味のカレー】のような、どちらも選びたくない消極的選択を、これを「あなたが決めたことでしょ」と自己決定したとみなされてしまうのです。


次のスライドでは私の開示請求書を直接画像で貼り付けました。

私の個人情報なのに、真っ黒に塗りつぶされており、どのような判断がされたのか何も知ることができません。

これについて、子供の記録は子供のものなので、塗りつぶしはやめて下さいというお願いをしました。私の資料の原本は保管期限により廃棄されており、再び取り出すことはできません。加えて保管期限も撤廃して下さいというお願いもしました。



今回の厚生労働省からのテーマが「自立について教えて下さい」でしたが、
私が一時保護から虐待家庭に戻された後とても大変な目にあい、自立どころではなかったので、進学も就職も、安全で安心できる生活の中でできること。自立以前の課題がまだまだたくさんある。ということをお話ししました。

最後のスライドでは先に紹介した開示請求についてのお願いと、
子供の人生の重要な決定にはきちんと本人の意見を反映させること。

家庭に戻った場合にも、希望の進路に向けて家庭からのサポートをうけられているのか確認するような自立支援や、家庭だけだとサポートできるだけの実力が足りなかった場合には、家庭+社会のサポートを得られるようにして、子供にとって必要なレベルまでのサポートが得られる自立支援を。ということをお願いしました。


まとめ

参加した感想としては、参加された当事者の方達でしめし合わせたわけでもないのに、「いくつ歳を重ねても受けることのできる支援を!」という部分が重なり合っていて胸が熱くなりました。

また、30代の方が当時、アフターケアも、制度も、全く脆弱であって支援を受けられず。今現在、制度が少しずつ充実してきている一方で、若者を想定した支援の年齢制限により、今も進学の奨学金等の支援を受けることができない。といったご自身の経験を発表されていました。少しずつこういった課題が認知され、改善されていくことを望みます。

このような重要な場に、話をする機会を頂きありがとうございました。






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